代表弁護士の小前田です。

前回の記事(②第1創業期・個人事務所)では、私が即独により事務所を立ち上げ個人事務所として活動していた約4年間のことを書かせていただいました。

今回はその続きの記事になります。個人事務所から脱却し、第2創業として組織型事務所を目指して事務所経営をスタートさせ、そこから約6年経過した現在までの話を書いていきます。

もちろん、当事務所は組織型事務所としてはまだまだ未熟な点も多く、今後はさらなる発展をさせていきたいと考えております。そのために一緒に事務所を作っていただけるメンバーとして、弁護士及び事務スタッフの採用を継続的に行っております。

 初めての勤務弁護士の採用

勤務弁護士の採用をしようとした決意し、平成26年1月頃に日弁連が運用する「ひまわり求人求職ナビ」のHPに求人を載せることにいたしました。

そうしたところ、掲載から、1~2週間後に、当時修習生であった園山先生から問い合わせをいただき、採用面接をすることになりました。採用内定を出すまでには、何度か事務所訪問をしていただき、面接等をしました。

今思うと、園山先生はよくうちの事務所に来てくれたなと思います。当時、私も、弁護士としての経験はたかだか4~5年くらいしかなく、事務所も吹けば飛ぶような小さな個人事務所でした。

そんなところに加入してもらい、とても感謝しています。

園山先生は、人柄的も素晴らしく、依頼者と信頼関係を築くのが上手で、依頼者からの満足も非常に高いです。どんな事件でも、粘り強く事件処理に当たってくれています。

特にうちの事務所で離婚事件に注力をしだしたときに、かなり精力的に事件を受任し、事件処理をしていただきました。うちの事務所の離婚事件の事件処理のベースを作っていただきました。採用して5年、うちにはなくてはならない弁護士です。

 事務所の引っ越し

園山先生に内定を出したところ、当時の事務所では、弁護士2名が執務するには会議室は足りないし、手狭になりすぎるということで引っ越しをすることに。

裁判所周辺のビルをひととおり、下見に行きました。何件が見学した中で、ビルのグレード、広さ、賃料、裁判所からの距離、来客用駐車場がある点で、現在も事務所があるビルに決め、園山先生の加入の時期に合わせて、平成26年12月の年末に引っ越しました。結果、約20坪から、約54坪の新事務所に引っ越しをすることに。かなり事務所の面積は広くなりました。引越し前の何もないだだっ広い事務所スペースを見て、こんなにでかい事務所を借りてしまって大丈夫か不安になったのを思い出します。

前の事務所のときには、事務所を居抜きでいただいたので、特に事務所の開設に合わせてなにか内装工事をするということはありませんでした。

しかし、今回は何もないところに事務所を作るわけですから、当然、内装やオフィス器具などについては、自分たちで全て手配しなくてはいけません。

当時から園山先生以外にも弁護士も採用していき、人数を増やしていこうと考えていましたので、弁護士や事務スタッフの人数が増えても対応できる事務所のレイアウトを内装・オフィス器具の会社(当事務所が顧問弁護士となっている会社です)と、何回も打ち合わせして、決めていきました。

引っ越し先の内装が完了したら、いよいよ引っ越し作業となります。4年間も個人事務所をやっていたので、事件記録や本など、持っていく資料もけっこうな量がありました。

ただし、自分の感覚としては、事務スタッフもいて、入所前の園山先生が引っ越しに手伝いに来てくれたりして、わりと引っ越し作業自体は、楽に終わった記憶です。正直、最初に即独で事務所を開設したときのほうが、すべて準備を一人でやっていたこともあって、大変だった気がしました。

そこで、「思っていたより引っ越しが楽だったね」という感想を漏らしたところ、事務スタッフのKさんから「引っ越しは、私、妊娠6ヶ月の妊婦さん、正式加入前の園山先生の3人で、とても大変でした。予定していた労働力が一人欠けたことで、妊婦さんに負担をかけてしまいました。引っ越し作業している中、なにされていたのでしょうか。」と本気で怒られました。どうやら、引っ越しの時期に修習の同期が福井に遊びに来ていてスノボに行っていたことを根にもたれようで・・・・。その頃の私は、独身で妻も子もおらず妊婦さんの大変さを何もわかっていませんでした。去年、妻の妊婦生活を目の当たりにして妊婦さんの大変さがよくわかり、あの時とても悪いことをしたなと反省しました・・・。

ともかくその後も、ものすごく怒られましたが引っ越しは無事に終わりました。

新しい事務所に移って、ビルや内装、トイレ等もきれいになり(このへんは事務スタッフからは好評でした)、心機一転、新事務所での執務が始まりました。

 事務所の仕事が多忙に

引っ越しも終わり、平成27年1月から、新事務所での仕事が本格的にスタートしました。

新事務所で仕事を始めた頃に、新しい事務スタッフも募集を行ないました。

というのも、前項でも少し触れましたが事務スタッフのNさんが産休・育児休暇に入るためでした。弁護士も1名増えるので、Nさんが育児休暇から事務所に復帰したタイミングでは、事務スタッフ3名分の仕事はあるだろうと思っていました。

そこで加入していただいた事務スタッフがMさんでした。平成27年4月から来ていただくことに。主に交通事故の案件を担当していただくことになりました。

Mさん加入後、NさんからMさんに短期間で引継ぎをしていただき、Nさんは産休・育児休暇に。事務所は弁護士2名、事務スタッフ2名の事務所となりました(そのうち新人弁護士1名と新人事務スタッフ1名という体制。)

新しい事務スタッフのMさんは社会人経験が豊富で、金融機関での勤務も長かったこともあり、接客や電話対応などが非常に丁寧でした。事務スタッフのお手本のような接客をしていただきました。事務処理も非常に丁寧で、前向きに仕事をしていただきました。後で述べるとおり、加入してもらった時期が非常に多忙なときで、そんな中でも1件1件丁寧に仕事をしていただきました。

忙しく仕事をしている女性会社員のイラスト

今思えば、新人の弁護士と新人の事務スタッフがいるので、しっかり教育を行わないといけない時期で、負担を掛けすぎないように仕事をセーブしなければいけなかったと思います。

しかし、この時期、事務所の仕事がかなり増えており、売上が、前年比約1.5倍になるなど多忙で、自分自身も忙しくて、新人弁護士の園山先生と、新人の事務スタッフのMさんになかなか教える時間もきちんととれない中、お二人ともきちんと仕事をしていただき、よく成長していただきました。新人でまだ仕事にも慣れていないのに仕事が多忙という状況にも関わらず、よく辞めずに仕事を続けていただけたと思います。非常に感謝しております。

そしたあまりの忙しさに、育児休暇中の事務スタッフのNさんにも、バイトで何度か事務所に手伝いに来てもらうことに。

このときは、当時で勤続4年~5年くらいの事務スタッフのKさんも忙しさで疲弊していました。

力尽きた人のイラスト(女性会社員)

それくらい、平成27年くらいの時期は事務所の仕事が忙しかった気がします。

忙しくなった原因の一つとしては、園山先生が加入する直前くらいに、新たに離婚の専門HPも作成し、離婚事件にも注力をしだしたからです。注力した理由としては、離婚事件に関しては、弁護士がもっと積極的に関与して、公平で適正な解決が図られるべきだと思うことが多々あったからです。

結果的には、当時僕が交通事故の事件で忙しかったこともあり、園山先生は離婚事件をたくさん受任していただき、事件処理をしてもらうことになりました。その頃から園山先生には、離婚分野を引っ張って行ってもらっています。

平成27年1月から園山先生が勤務弁護士として加入していただいたのが、第2創業期の始まりです。

売上も上がっていましたが、賃料も増加し勤務弁護士の給料・弁護士会費などを支払うようになり経費も一気に増えたため、事務所経営のステージが大きく変わったなと意識したのがこの時期です。

ただし、まだこのときは組織型の事務所を作るこということに関してはあまり意識できておらず、あくまでも個人事務所の延長という意識でした。忙しいこともあって、マネジメントに関する施策はほとんどなにもしていなかったと思います。

組織型の事務所を作るということを本格的に意識しだしたのは、平成28年1月に西尾先生が勤務弁護士として、うちの事務所に加入していただくことになった後からくらいだと思います。

 餅は餅屋

「餅は餅屋」という言葉があります。『餅は餅屋のついたものがいちばんうまい。その道のことはやはり専門家が一番であるというたとえ。』という意味になります。

お餅つき道具のイラスト「杵と臼」

事務所の仕事が忙しくなってくるにつれて、事務所の生産性を上げていくために、「餅は餅屋」という方針をとっていくようになりました。すなわち、自分たちが価値を生み出している仕事以外の仕事は、外部の専門家や業者の方に積極的に仕事の依頼をするようになってきました。価値を生み出していない仕事に時間を取られているとどうしても生産性が下がっていき、事務所が多忙になり、メンバーが疲弊してしまいます。

当事務所が価値を生み出している部分というのは、主には依頼者に対する紛争の解決と予防というリーガルサービスの提供と、市民に対する情報発信と考えています。そこ以外の仕事については、外部の専門家や業者の方に積極的に仕事の依頼をするようにしています。

これにより事務所の生産性を落とさないようしています。

具体的には、昔は自分たちでやっていた下記のような業務になります。

  • 会計事務所に申告業務だけでなく、記帳代行サービスもお願いする。
  • 社労士事務所に、社会保険等の手続き等をお願いする。
  • 事務所内の掃除は、清掃会社にお願いする。
  • PCの購入、設定、保守やネットワークの構築も、オフィス機器の専門の会社にお願いする。
  • WEBサイトの構築・保守・運用、社内システムの構築・保守・運用を、ITの専門の会社にお願いする。

いろんな道の専門家がいるのですから、感謝してきちんと報酬を支払って、仕事を依頼してやってもらえばよいと思っています。ここで、下手に自分たちで全部やろうとしてもよいアウトプットは生まれないし、何よりもそれに時間を取られると事務所の生産性は非常に悪くなります。

自分たち自身が、弁護士として、法律や紛争解決・予防の専門家として、依頼者から仕事を任せてもらう存在なので、ここは理解しやすいかと思います。

例えば、『民事訴訟については本人訴訟でできるから、自分で訴訟をする』と述べる方がいたとしたら、皆さんどのような印象を持つでしょうか。普通に弁護士に依頼したほうがよいと思いますよね。それと一緒だと思います。

 平成28年頃に人材が揃ってくるようになる

上記のとおり、事務所の状況が多忙であったため、園山先生が加入した後も、すぐに追加で勤務弁護士の採用を行なうことに。

福井で実務修習を行っていた修習生向けに、事務所説明会を開催しました。当時、修習生であった西尾弁護士にも参加してもらいました。

そこから、何度か事務所訪問をしていただき、面接等をして、内定を出すことに。

平成28年1月に、2人目の勤務弁護士として、うちの事務所に来ていただくことになりました。

西尾先生は、事案や物事の理解力が非常に高くて、仕事もテキパキと処理をしてくれるタイプの弁護士です。仕事を基本的に溜めこまないので、安心して仕事を任せることが出来ました。私が何かを教えたという記憶はほとんどなく、兄弁として園山先生がいて教育担当をしてもらいながら、基本的には自学自習で仕事を覚えていた気がします。

あとは、西尾先生は、法律関係の図書に詳しいです。事務所で必要な書籍の購入もしてもらい、本棚の整理もしてもらえることに。それまで、ぐちゃぐちゃだった事務所の本棚はきれいに整理されていくことになりました(本棚をぐちゃぐちゃにしていたのは、多分、私です)。

平成28年3月ころには、弁護士も増え、Nさんも2回目の産休・育休を予定していることから、新たな事務スタッフのTさんが加入してもらうことに。債務整理や破産、離婚等の案件の事務処理を担当してもらうことになりました。

Tさんは、非常に丁寧に仕事をしてもらうのですが、かつ仕事が早いです。入所したときから事務処理能力が高いと思っていました。先回り先回りで仕事をしてもらえて、弁護士がやりやすいように仕事をしてくれています。

平成28年4月ころには、事務スタッフのNさんも、2回目の育児休暇から復帰していただきました。

ここで、うちの事務所は、弁護士3人、事務スタッフ4人の体制となりました。

仕事に習熟した人材も揃ってきていました。これに加えて、前述のように、外部の専門家に積極的に仕事の依頼をすること等も行なったこともあり、新人弁護士や新人事務スタッフが仕事に慣れていくにつれ、徐々に事務所の仕事の忙しさが落ち着いていった気がします。