弁護士の小前田です。

令和2年度の司法試験受験者は4,226人しかいないようですね。

司法試験の受験者数は毎年減ってきていて、これで昨年と同じ1,500人合格ということになれば、かなりの合格率の高さですが、これは若い人で法曹になりたいという人が相当減っているということかと思います。

ここまで若い人に法曹の人気が無くなってしまっているのは、「弁護士はもう食えない」というネガティブなニュースが繰り返し流されてきたからだと思います。

しかし、私のまわりで食えていない弁護士など一人もいないですし、みんな生き生きと弁護士活動をしています。修習生の就職についても就職難という状況はとっく改善されていて、今は売り手市場、むしろ修習生の側が事務所を選べる状況になっていると私は思います。

「弁護士はもう食えない」というネガティブなニュースで出てくる事例を虚偽とは言いませんが、極端な事例だと思います。そういった極端な事例を元に、弁護士全体を一般化して報道するのはどうなのでしょうか。

時代が進んで行っても、弁護士の仕事は絶対になくならないといえます。もちろん、ITやAIの発達で仕事のやり方などは変化してくると思いますが、法治国家である日本で法律や紛争を取り扱う弁護士の仕事が無くなるわけがありません。

少なくとも、依頼者や社会のためになる仕事を積み重ねていければ、弁護士が食えない仕事になるということはありえないと思います。

 個人的には、法曹界もネガティブなニュースを出さないようにして、もう少し法曹の魅力をアピールしてもよいと思っています。現状のままでは、今後、優秀な人材が法曹界に入ってこなくなるのではないかと危惧しています。